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ご報告 投稿者:弁護士 喜多英博 投稿日:2003/07/22(Tue) 20:08 No.1081 2003/7/17の横浜地裁の1500万円判決についてご報告しておきますね。 事案は、 通帳、印鑑、健康保険証が盗まれて、 東京三菱茅ヶ崎支店(口座開設店)でh15.2.5に 1 普通預金 250万 2 定期預金1500万 (普通預金の30分後)おろされた。 どちらも住所の記載があって、○「十間坂」が ×「十間町」となっている。 【普通預金】 住所は書いてあったがチェック項目ではなかったので見ていない 【定期預金】 住所はチェック項目だったのでチェックしたが、番地以下が 合っていたので、町名の誤記は見落とした。 健康保険証の提示を受けた。 という事案です。 判決は、 【定期に関しては、】 結論:過失あり 1.「○○町」を単に「○○」のように書いた場合には単なる省略とも受け取れるが、 本件はそうでなく、誤記としての程度は高い、と指摘。 で、住所をチェックしたのに見落としたことを過失の1番目にあげている。 この中で、住所をチェックしても大した手間にならず、 充分チェックが可能だった旨述べた。 2.健康保険証は、本人又は家族しか持っていないことを前提に 初めて本人確認資料になるのであって、窃盗犯でかどうかを確認する際の確認資料としては 全く機能しないと指摘。 3 暗証番号入力装置があることを理由に、暗証番号の入力を求めれば、 本人でないことが容易にわかり得た。 <!ポイント!> ・窓口で住所のチェックはできる。 ・健康保険証は本人確認資料としては意味を為さない。 ・定期預金には暗証番号はないのに、定期の払戻の際に普通預金の暗証番号を確認することを求めた。 【普通預金に関しては、】 結論:過失なし。短すぎるので、全文引用します!! 「普通預金は、流動性預金であって、 頻繁かつ高額な現金による出し入れが予定されているものであり、 制度上、簡便な手続で払戻がされることが要請されているものであるから、 この払戻における銀行の注意義務は、定期性預金のそれに比較して 軽度のもので足りると認めるべきであり、 住所の確認作業を伴わない前記認定払戻作業過程に被告の過失はないと認めることができる。」 判決書ではたった5行!!( ̄Σ ̄;) それに続いて、 みずほのマニュアルは、他店での扱いに関するものだから 本件のような自店取引には関係ない ですとー!! 「自店取引の場合も同様に取扱う」って、ちゃんと書いてあるし 準備書面でもそのことは指摘していたのに。。。 見落としちゃったのかな…。 【郵便局の取扱に関しては】 郵政公社→ 営利を第一の目的としない 銀行→ 営利法人 だから判断根拠にならない、ですって。 ↑ 営利が第一の目的だったら本人確認は甘くて良いっていう論理になるのか!? こういった納得いかない状況でしたが、神奈川新聞には 1面トップ記事で出たので、かなりインパクトがあったようです。 この事件は私が弁護団に入る前に手探りで始めた事件だったのですが、 弁護団で集めた資料・情報・ノウハウ、マスコミ各位の報道の力、 みなさんの世論の声など、色んな要素が合わさって(一部ですが) 勝訴に漕ぎ着けることができました。 ありがとうございます。 そして、銀行は「執行停止」をかけてきました。 これは、判決に「仮執行宣言」というのがついていて これを使うと判決確定前でも1500万円について強制執行が できてしまうのです。 これができないように停止の申立をしてきた訳ですから つまり現段階で1500万円を払うつもりはないってことなんですよー。 あちらも控訴するつもりだということが分かりました。 また控訴審に出す書面に頑張って色々書いちゃいますよん♪
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